浜松にも東照宮あり!秀吉が浜松に住んでいた!「出世神社」は家康と秀吉が交差した場所

浜松だより

「浜松市に東照宮がある」秀吉浜松居たということを、浜松市民でもどのくらいが知っているのでしょうか?

ある日、たまたま見かけたポスターに「浜松のパワースポット東照宮」という文字と、徳川家康と豊臣秀吉の銅像が並ぶ写真に思わず「え?え?え?」。

浜松の東照宮ってなんのこと?秀吉が浜松に関係あるの??

浜松市民の多くも知らない浜松市にある元城東照宮のこと、浜松と秀吉の関わりについてご紹介します。

知られていない浜松市の「東照宮」、浜松と「秀吉」の関わり

ある日、浜松城公園の駐車場に貼ってあったポスターに何気なく目をやると、その中にある二つの「情報」が頭の中に飛び込んできました。

一つは豊臣秀吉の銅像。

もう一つは「東照宮」という文字。

豊臣秀吉って、愛知とか大阪だよね?

東照宮って日光とか静岡の久能山だよね?

なんで浜松が「秀吉」とか「東照宮」とか言っているのか、とっさに(まったく)理解できませんでした。

浜松城公園駐車場にあった東照宮のポスター(案内看板)

ポスターが貼ってあった事務所の方に話を聞いて、浜松には明治につくられた「東照宮」があること、豊臣秀吉は浜松に居た時代があったことを知ります。

私が無知だったということは確かですが、その後周囲に聞いてみてもやはりみんな知らない。(浜松の人間にとってもあまり一般的な知識ではないようです)

東照宮は浜松城公園から徒歩3分(浜松城から徒歩5分)、ネットで東照宮について調べながら早速行ってみました。

浜松城の前身、引間城跡地にある浜松元城町東照宮

元城町東照宮は明治19年、徳川家康を祀るために引間(ひくま:曳馬/引馬とも書く)城跡に創建された、ほんとうに小ぶりの神社です。

東照宮入口付近に残る曳馬(引間)城跡の塚
小ぶりの東照宮社殿

引間城は1570年に徳川家康が入城、その際に地名を「浜松」と名付けています(「浜松」の名前の始まりですね)。

改名とともに近くに新たに浜松城を築城することとし、その城ができるまでの間、家康はこの引間城に住んでいました。

今の浜松城が築城された後、引間城阯は江戸時代には米蔵として使われていました。

それが明治維新後に、徳川慶喜(15代将軍)公の名代で浜松藩代に任命された井上八郎氏によって家康にちなんで東照宮が創建されます。

(その後戦争で1945年に全焼失も1960年に再建される)

引間城は家康が浜松に入ってから浜松城を現在の位置に築くまで生活していた場所ですが、実は豊臣秀吉がかつて訪れた城でもありました(後述)。

二人の武将を天下人へと導いた場所として、いまでは浜松最強のパワースポット、「出世神社」と呼ばれる様になりました。

神社の目玉は境内にある徳川家康、豊臣秀吉の銅像。

二人の天下人の間に立てるようになっていて、そこで写真を撮るとご利益があるそうです。

NHKのブラタモリで浜松特集が放送された際も、タモリさんが写真を撮られていました。

 この銅像は豊臣秀吉、徳川家康それぞれが浜松に居た頃を想像しての造形がされています。

秀吉は10代後半の小柄で若々しい、そして「猿」の異名を彷彿とさせる顔立ち。

家康は青年の精悍さが漂うキリッとした表情。

たしかにこの間に立って写真を撮れば、何か大きなことが出来そうな気がしてきます。

「猿」と言われた豊臣秀吉
家康

豊臣秀吉と浜松の関わり

引間城は家康が主となる前には駿河今川家の家臣、飯尾豊前守が城主でした。

その配下の松下家(引馬城支城の頭陀寺城主、浜松市南区頭陀寺町)に奉公していたのが後の天下人「豊臣秀吉」となる木下藤吉郎。(よって今川家から見れば家臣の家臣の家臣にあたる)

1550年頃のことで、藤吉郎が侍になるために初めて奉公に出たのが浜松だった訳です(16~18歳の3年間仕えます)。

「太閤」豊臣秀吉の生涯を綴った伝記『太閤素生記』の中には、「猿」と呼ばれていた藤吉郎が主人に連れられ引間城へやって来て、皆の前で猿まねをし城主の家族を笑わせたとのエピソードが書かれています。

秀吉は浜松での修行の後に尾張国へ帰り、織田信長公と出会い、後に大出世を果たし天下統一まで上りつめるのです。

ただ秀吉が浜松に居たのはまだ「秀吉」を名乗る前の10代後半、記録もほとんど残っていないでしょうから、なかなか彼と浜松がイメージ的に結びつかなかったんでしょうね。

浜松元城町東照宮は「出世神社」

秀吉公と家康公の二人がまだ無名だった時代に交差した場所がここ浜松元城町東照宮引間城)。

ここから二人は天下取りに向かっていきます。

こういう経緯から浜松元城町東照宮が「出世神社」と呼ばれるのは決して言い過ぎではないでしょう。

ちなみにこの「出世神社」の話は、NHKの歴史ドキュメンタリーにも良く出演されている磯田道史先生(2014-2016静岡文化芸術大学教授)のコラムで全国紙の新聞に掲載されました。

それから全国の「出世を願う」参拝者の方々が訪れるようになったそうです。

磯田道史先生

まとめ

浜松市に徳川家康を祀った東照宮があることは地元民もあまり知りません。

また浜松とは縁がないと思っていた豊臣秀吉が、約3年間も浜松に住んでいたことも殆ど認知されていません。

徳川家康と豊臣秀吉を繋ぐ場所が引間城。

二人の天下人を送り出した引間城跡に建つ浜松元城町東照宮、この「浜松パワースポット」に行ってなにか力を授かってみるのも良いかもしれませんね

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