昭和ノスタルジー!町並みまるごと陶器の常滑焼「やきもの散歩道」オススメは?

日本を旅する

常滑焼と言うと何を想像するでしょうか?

私が持っていたイメージは「普段使いの日用品」。

常滑市も私の住む浜松から車で2時間少々と近く、「いつでも行ける」と有難みも感じず、なんとなく「常滑」を軽んじていました。

ところが!ところが!

常滑に行ってみたら印象は一変!

常滑の「やきもの散歩道」に入り込んだ途端、昭和の様でもあり、明治の様でもある(大正ロマンではない)、ノスタルジー溢れる不思議な空間に思わず心がなごみます。

道にも、壁面にも、陶器、陶器、陶器。

素敵な常滑焼の作品や商品もいたるところに!

オススメの映えスポット、常滑をご紹介します。

常滑の由来と常滑焼の歴史

常滑は知多半島の中央部西岸、伊勢湾に面する焼き物の町。

常滑市内の沖合にある人工島に中部国際空港(セントレア)が出来て常滑の知名度も上がりました。

常滑の名前は土壌に由来するとされ、「常」は「床」(地盤)、「滑」は「滑らか」という意味。

古くからこの地は粘土層の露出が多く、その土質が滑らかなため「とこなめ」と呼び、地名として定着していったそうです

常滑焼は日本六古窯の一つ(他に瀬戸、越前、信楽、丹波、備前)。

平安時代末期(12世紀)には、常滑を中心に知多半島の丘陵地のほぼ全域に穴窯が築かれ、山茶碗や山皿・壺などが作られていたそう。

常滑焼が最も盛んだったのは昭和初期で、急須や茶碗だけでなく、甕(かめ)や焼酎瓶、土管、レンガ、タイルなど、陶器製造で日本の産業を盛り立てました。

ちなみに日本一の招き猫の産地としても知られています。

古い町並みと新しいお店で人気上昇中の常滑

常滑の旧市街にはレンガ造りの煙突、土管や陶器の瓶が埋め込まれた坂道「土管坂」、窯場や登り窯、黒板塀など、窯業で栄えた古くからの町並みがそのまま残り、写真映えする町。

多くの作家や職人が住み、様々な種類の焼きものが作られ、前衛作家などのギャラリーも多く存在しています。(これを見て回るだけでもすごく楽しい)

これら旧市街を巡る狭く曲りくねった小径は「やきもの散歩道」として整備され、歴史的産業遺産を巡る観光スポットとなっています。

最近では、お洒落なカフェやこだわりの雑貨を取り扱うお店も増え、女性からの人気も高まっています。

町の陶管屋さん
町のいたるところに煉瓦煙突
今は使われていない蔦の絡まる煉瓦煙突

「やきもの散歩道」で常滑窯を巡る

全長1.5kmほどの陶磁器をテーマとする観光モデルコース。

常滑窯を巡るコースとして、1972年頃に自然発生的に生まれました。

登り窯やそこかしこにある煉瓦煙突、コールタール塗りの黒い板壁の工場など、昭和中期以前に建てられた窯業関連の施設が数多く残る丘陵地を巡ります。

狭く、曲がりくねって起伏も多く、大型自動車も通れないほどで開発の手が入らず、幸運にも古い遺構・街並みが保存され残ることになりました。

コールタール塗りの黒い板壁
狭いやきもの散歩道沿いには蔦の絡まる建物などが並ぶ
土管もオブジェに見える

「やきもの散歩道」の起点、常滑市陶磁器会館で常滑焼を学ぶべし

「やきもの散歩道」の起点となっているのが常滑市陶磁器会館。

常滑焼の紹介、展示、さらには伝統工芸士がつくった本格的な急須、招き猫などの販売を行なう常滑焼産地の中核施設です。

常滑散策をする前にはまず最初にここに寄って、常滑焼の知識を得られることをオススメします。(より散策が楽しくなります)

販売されている陶器類も豊富ですし、お得なセール品なども揃い、私も焼酎用に一つ湯呑を購入しました。

廻船問屋瀧田家

廻船問屋瀧田家は、江戸時代から明治時代にかけて廻船業を営んでいた瀧田家の住宅。

1850年頃に建築された建物を復元・整備して公開しています。

貴重な無尽灯(菜種油を用いた灯火具)や和船の模型、海運の歴史などを展示しています。

土管坂

常滑の土管は、江戸末期に美濃国江戸藩邸に初めて納めた記録が残されています。

明治時代には土管の製造が重要な産業品となりました。

常滑を象徴するものの一つで、プラスチック製が普及する昭和の時代まで、盛んに製造されました。

土管坂は廻船問屋瀧田家から南に10mほどの所にあり、やきもの散歩道を代表する風景。

明治期の土管と昭和初期の焼酎瓶が左右の壁面をおおい、坂道には「ケサワ」という土管の焼成時に使用した捨て輪の廃材が敷き詰められ、滑らず歩きやすいように工夫されています。

土管と「ケサワ」の配列が幾何学文様の様で美しく、まさにアート!

私の常滑での一番のお気に入りです。

これはもはや「アート」!右にあるのが瀧田家

10本煙突の登り窯

1887年(明治20年)頃に築かれた窯で、1974年まで使用され、日本で現存する登り窯としては最大級とのこと。

傾斜角約17度、8つの焼成窯、高さの異なる10本の煙突が特徴。

10本並んだ煙突は特に印象的で、窯の中の様子も見学することができます。

1982年に国の重要有形民俗文化財に指定され、2007年には近代化産業遺産にも認定されました。

10本煙突
登り窯内部

登り窯広場・展示工房館

登り窯広場は、焼物の町らしく陶器がふんだんに使われている公園。

その横に展示工房館があって、館内で窯の見学や、常滑焼の絵つけ体験をすることができます。

登り窯広場
展示工房館
展示工房館の内部

ぜひ行きたい!昭和ノスタルジーたっぷり常滑「やきもの散歩道」

常滑の古い町並みは、再開発がされにくいという道の狭さ、地形があって、古い町並みがそのまま残されました。

おかげでそれを現代に見れる私たちは本当に幸運だとしか言いようがありません。

この古い町並みに手を加え、陶器を上手く利用した道などはまるでアート、ノスタルジー感じる雰囲気はさらに増して、行って絶対に損はしない素晴らしさ。

ぜひ皆さんも機会があれば常滑の「やきもの散歩道」をゆったりと散策されてください!

【基本情報】常滑市陶磁器会館/駐車場情報

【常滑市陶磁器会館】

所在地   愛知県常滑市栄町3-8

料金 無料

営業時間 9:00~17:00

定休日   年中無休(年末年始を除く)

お問い合わせ 0569-35-2033

【駐車場】

陶磁器会館駐車場:平日無料・土日祝500円

やきもの散歩道駐車場:全日300円

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