建仁寺は見どころ満載!風神雷神図と双龍図に名庭園、浜松から来た三門も!

京都巡り

こんにちは、カービーです。

京都最古の禅寺、建仁寺と聞いて思い起こすのは教科書にも出てくる「風神雷神図」ではないでしょうか?

この国宝はあまりにも有名ですが、実際に建仁寺に行ってみたら見どころ満載で、見るべきモノの多さに驚かされます。

大迫力の双龍図や細川護熙元首相が創作し寄贈した作品、さらには名庭園など。

そして浜松市民の私にとっての驚きは、建仁寺の三門が浜松市から移築されたものだったこと。

そんな魅力たっぷりの建仁寺をご紹介します。

建仁寺の創建者は源頼朝嫡男の頼家

建仁寺は1202年(建仁二年)に創建された臨済宗建仁寺派の大本山の寺院。

山号は東山(とうざん)で本尊は釈迦如来。

開基(創立者でありスポンサー)は源頼家、開山は栄西で、創建時の年号をいただいて寺の名前となりました。

源頼家は源頼朝の嫡男で鎌倉幕府第二代将軍。

因みに大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では金子大地さんが演じられていました。

23歳という若さで非業の死を遂げる頼家の生涯をドラマで見ていた私にとって、わずかな将軍職の期間に京都に建仁寺を建てさせていたことは意外でした。

また建仁寺の創建工事に、北条に裏切られて亡くなった畠山重忠(ドラマでは中川大志さんが演じ大人気でした)が支援していたと知り、一気に親近感が湧きました。

法堂

国宝の俵屋宗達「風神雷神図」は建仁寺のアイコン

大書院にあるのが、国宝にも指定され建仁寺のアイコンと言ってよい「風神雷神図」。

江戸時代の大画家であり、琳派の祖である俵屋宗達の傑作です。

鮮やかに輝く金箔の貼られた二曲一双の屏風に風神と雷神が描かれています。

真ん中にはどんと余白を置き、両端の風神と雷神は少しコミカルな感じもありながら、ダイナミックな動きを見せています。

原本は既に京都国立博物館に寄託されていて、建仁寺のものは高精細複製品の屏風ですが(本物と見分けがつきません)、本来あった場所でこの絵を見られるのはありがたいことだと思います。

風神雷神図

建仁寺法堂にある大迫力の双龍図

建仁寺の法堂(はっとう)は1765年に建設され、本尊の釈迦如来坐像と脇侍迦葉尊者、阿難尊者が安置されています。

この法堂の目玉は天井に描かれた「双龍図」。

建仁寺創建800年を記念し、2002年(平成14年)に約2年の歳月をかけて日本画家の小泉淳作氏により作成されました。

古い歴史のある作品ではありませんが、畳108枚分の大きさいっぱいに描かれた2頭の「阿吽」の龍の大迫力は必見ものです。

(因みに京都には龍の絵が各所にありますが、2頭が絡み合う龍はここだけ)

双龍図の天井画は大迫力

建仁寺方丈には「雲龍図」と「竹林七賢図」との襖絵

建仁寺の方丈は、安国寺から移建されたもので重要文化財に指定されています。

8面の襖に描かれた「雲龍図」は、安土桃山~江戸初期の絵師、海北友松(かいほうゆうしょう)により描かれました。

水墨画で、雲間から現れる龍のダイナミックな構図の逸品です。

雲龍図襖

同じく友松が襖に描いた「竹林七賢図」は、中国を連想させる典型的な水墨画。

竹林の中で酒を飲み、音楽や雑談を楽しむ賢人たちがほのぼのとした雰囲気を出しています。

竹林七賢図

細川元首相の作品などの建仁寺に他にもある見所

細川元首相の作品や異色の襖絵など

建仁寺の襖絵は、友松作品以外のバラエティーにも富んでいます。

元首相である細川護熙さんが描かれた建仁寺に寄贈された襖絵や書などの作品群。

細川さんの達磨の書

細川さんが芸術家として活動されているのも知りませんでしたが、なかなかの腕前です。

また染色画家の鳥羽美花さんが描かれた襖「舟出」は、お寺のイメージとはかけ離れた異色の見事な作品。

染色画家らしく海の青さの色彩表現がとても鮮やかで美しい。

白黒表現の多い作品に混じって異彩を放ち、独特の存在感を醸しだしています。

鳥羽美花さんの襖絵は青の色彩が鮮やか

大雄苑(だいおうえん)庭園の枯山水

方丈の前には方丈が再建された際に作庭された枯山水式庭園である大雄苑(だいおうえん)庭園があります。

石塔や赤松が白川砂の砂紋のうえに配置され、広々した大海原をイメージする様な、とてもゆったりしたウェーブが特徴的です。

大雄苑庭園の枯山水

潮音庭(ちょうおんてい)の苔と紅葉

本坊の中庭(四方向から部屋や廊下で囲む)として2005年に公開された枯山水の禅庭の潮音庭。

苔と紅葉が美しいと評価されている様ですが、青紅葉も落ち着いて綺麗でした。

本坊の四方向から鑑賞でき、多くの方が座って庭を眺めていました。

私も庭を見るように腰かけて、足を伸ばしてのんびりしましたが、そうして庭園を鑑賞するととても穏やかな気持ちになります。

潮音庭は座って四方から眺められる

三門はなんと浜松から移築されていた

方丈から大雄苑庭園の先に見えるのが三門。

「望闕楼」(ぼうけつろう)の別称は「御所を望む楼閣」という意味だそう。

この三門が、1923年(大正12年)に我が浜松市の市雄踏町の安寧寺の(現存)から移築されたものと知ってビックリ!

安寧寺は徳川家康とも縁があり、家康が三方ヶ原の戦いで武田勢から敗走する際に安寧寺が助けたことから、後に家康から新たな寺領が与えられたそうです。

なぜ移築されてしまったのか判りませんでしたが、京都で浜松を感じる珍しい経験でした。

浜松からはるばるやってきた三門

建仁寺まとめ

建仁寺の見どころは、そのバラエティーの豊富さかも知れません。

寺を代表する国宝の風神雷神だけではありません。

安土桃山時代の「雲龍図」と平成の「双龍図の天井画」の龍の競演、
大家「友松」の襖絵と元総理細川護熙氏や鳥羽実花さんの襖絵との対比など、
時代を超えて異なる社会背景の人たちの作品が混在して置かれています。

枯山水の「大雄苑庭園」と緑濃い中庭の「潮音庭」の異なる味わいも面白い。

建仁寺は見る者を飽きさせない、見どころ満載のお寺です。

建仁寺基本情報

所在地:京都市東山区大和大路通四条下る小松町
拝観時間:午前10時~午後4時30分受付終了(午後5時閉門)
拝観料金:一般 600円 中高生 300円 小学生 200円 ※小学生未満無料

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