こんにちは、カービーです。
苦しいシーズンを闘い抜いたジュビロ磐田が、ついにリーグ最終戦でJ1への逆転昇格を決めました!
昨年末にはJ2降格と1年間の補強禁止処分のダブルパンチに見舞われたジュビロ磐田。
今年も開幕から思うような勝ち星を挙げられず、
中盤に盛り返すも最終節では自力昇格が狙えない厳しい展開に追い込まれました。
それが最後の最後での大逆転昇格で、辛口コメントの多かったメディアも手のひら返しでジュビロを大絶賛!
今は何を書かれても心地良いのが我々ジュビロサポーターです!
ジュビロ磐田がなぜギリギリの逆転昇格を成し得たのか?
来年への期待と展望は?
カービーがサポーター目線でお伝えします。
ジュビロ磐田、奇跡の大逆転自動昇格
大ピンチだったジュビロの自動昇格
最終戦を前にジュビロのJ1自動昇格は風前の灯でした。
優勝は既に町田で決まり。
残り1枠の自動昇格(2位)争いは、2~4位の3チームが勝ち点1差でひしめく大混戦。
(注:3,4位チームは4チームで1枠を争う厳しい昇格プレーオフへ)
2位:清水 73
3位:磐田 72
4位:東京V 72
(*3、4位は得失点差)
勝ち点1差で先行する清水は勝てば文句なしの昇格確定。
3位のジュビロが昇格するには、
清水が負けた上でジュビロが勝利する、
且つ東京Vに得失点差で逆転されない、
という条件付き他力本願の難しい立場。
しかも清水の相手は、ジュビロが前節に5-0で下したJ2で17位の水戸。
J2最強の選手層を誇る清水が、肝心の試合でJ2下位チームに勝てないなどとは正直思えませんでした。
しかしそれでもサポーターは「とにかく奇跡が起きてくれ!」と藁にも縋る思いで祈っていた訳です。
痺れた最終節の試合展開
J2最終節は11月12日午後2時に一斉同時スタート。
各試合の展開が見事なまでに絡み合い、
試合終了の笛が鳴るまでどこが自動昇格するのか分からない混沌とした状況が続きました。
前半終了時点では清水、磐田、東京Vの各試合は同点のまま。
(このままなら清水昇格)
後半に入ると東京Vは大宮に対し着実に加点(2-0)。
磐田は後半16分の得点で栃木を逆転、勝ち越し(2-1)。
清水は水戸に先制されるも後半36分に追いつく(1-1)。
1点を巡る戦いが試合終了まで続き、最後の15分間は大緊迫状態。
何しろこの15分間で;
・どこにも得失点が無ければ磐田昇格
・清水のみ加点なら清水昇格
・磐田のみ失点なら東京V昇格
という、最後の最後までどのチームにも昇格チャンスがあった、まさに白熱の3つ巴の戦い!
各チームのサポーターは3試合の動向を同時にチェック、
固唾を呑んで贔屓チームを応援し続けます。
試合終了間際には清水の惜しいシュートがあったり、
磐田のピンチがあったりと、
史上稀に見る際どい自動昇格争いが展開されました。
カンセキの奇跡
最後の痺れる15分間に、清水、磐田、東京Vの各試合で得点は産まれませんでした。
遂に「カンセキの奇跡」(*)は起き、ジュビロサポーターは喜びを爆発させました。
(*)ジュビロの逆転昇格が栃木のホーム、カンセキ・スタジアムだったことから、このフレーズが生まれました
本当に勝負事はやってみないとわからない!
勝てば昇格だった清水は水戸と引き分けて、勝ち点74でまさかの4位転落。
3位の磐田が2-1で栃木に逆転勝ちし、勝ち点75で2位に浮上しJ1昇格決定。
4位の東京Vは勝利で磐田と同勝ち点(75)も、得失点差で惜しくも3位。
本当に絶妙な巡り合わせでジュビロは昇格を引き寄せました。
因みに磐田と東京Vの得失点差は4で、前節の磐田vs水戸の5-0の勝利が大きく貢献。
水戸は磐田に得失点差5を積み上げさせてくれて、今回は清水と引分けてくれ、ジュビロサポーターはしばらく水戸に足を向けて寝られません。
久々に味わうジュビロの土壇場での歓喜
かつての黄金期のジュビロ磐田はとにかく勝負強かった!
しかし2000年代中盤からのチーム力下降に伴い、肝心なところで競り負けることが多くなってくる。
そのうちサポーターは様々な「土壇場での悲劇」を味わう様になってきます。
最も強烈に残るジュビサポのトラウマは、2014年のJ1昇格プレーオフでの山形との準決勝。
同点で90分間が終了し、そのままならリーグ戦上位のジュビロが決勝進出という状況でアディショナルタイムに突入。
後の無い山形はコーナーキックのチャンスになんとGK山岸範宏選手が磐田ゴール前に上がる。
GKが攻撃に参加するシーンは稀に見かけますが、そこで何かが起きたことなど私はそれまで見たことがなかった!
ところが…!
この時コーナーキックにGKの山岸選手が頭で合わせて、何と自らシュートを決めてしまいます。
結果ジュビロは劇的な敗戦でJ1昇格ならず、一方の山形はその後決勝でも勝ちJ1昇格を決める。
試合を決するGKのヘディングシュートと言う、世間的には歴史に残る名ゴール。
しかしジュビロファンにとっては思わず目を背けたくなるシーン。
今だに名ゴールシーン特集でこの映像が流れたりすると、思わずTVのチャンネルを替えてしまいます。
そんな衝撃を味わってきた私には、J1昇格争いでよもや最後の土壇場で幸運がジュビロに転がり込むなどとは思えなかった(弱気ですね💦)。
しかし遂に、今回は最後の最後で、ジュビロに奇跡(逆転昇格)が起きました!
私はこれで9年前の山形戦のトラウマを払拭できた感じがします。
(同様のサポーターも多いのでは?)
ジュビロ磐田はなぜJ1復帰できたのか?
補強が出来ない厳しい縛りの中で、ジュビロがJ1復帰できたのには様々な幸運と必然があった様に思えます。
J2に降格するとJ1チームの草刈り場(主要選手が引き抜かれる)となるケースが多いが、今回のジュビロはほぼ全員が残留した、これが先ず大きかった。
補強禁止というチームのピンチに、選手全員が逆に結束したのでしょうね。
これに加えて横内監督の招聘と、監督の大胆なチームの変革が功を奏しました。
最大の補強は横内昭展監督?
選手の補強は出来ませんでしたが、横内監督の招聘に制限はありませんでした。
低迷するチームの立て直しに昨年9月に古巣に戻ってきたばかりの元日本代表、ジュビロOBの藤田俊哉スポーツダイレクターが三顧の礼で迎えたのが日本代表のコーチだった横内昭展監督。
横内監督が目指したものは、単にJ1に上がることではありませんでした。
「若手が育ち、持続性のある強いチームとなってJ1に復帰し定着していくこと」を目標に、
「チーム一丸、クラブ一丸」
「どのチームより走り、最後まで諦めない」
とスタッフ・選手に発破を掛けて、実際にそのスローガン通りの選手起用をしていきます。
選手からは「横さん」と親しまれる風通しの良さも、チームの活性化と結束に大いに役立ったことでしょう。
ターンオーバーで若手を抜擢
シーズン序盤は厳しい戦いが続いたものの、初の連勝を飾った5月頃から調子は上向きに。
夏場の週2試合ペースの連戦を、横内監督はGK以外の先発10人を試合毎に入れ替えるターンオーバー制という、皆の度肝を抜く戦術で切り抜けていきます。
猛暑の大変な時期に主力に適度な休養を与えつつ、多くの選手にリーグ戦出場の機会を与えていく。
「補強をしていないチームで選手層は薄い筈なのに大丈夫か?」
と私の浅はかな心配をよそに、若手の起用でしっかりやりくりし、夏場を11戦負けなしと成果を残します。
高校生Jリーガーとして話題となった後藤啓介選手(磐田東高3年、磐田ユース出)は33試合出場、7得点と大活躍。
高卒2年目の古川陽介選手(静岡学園高出)も得意のドリブルで見せ場を作り、28試合1得点と存在感を発揮。
さらに横内監督の選手活用術は若手だけに限りませんでした。
シーズンを通して今季登録の30人(2種登録除く)でリーグ戦に出場なかったのはDFの高野選手のみ。
(公式戦には全選手が出場を果たす)
若手起用に消極的(ベテラン重視)だったチームを大胆に変革し、全ての選手にチャンスを与える姿勢で、チーム一丸となって成果を残していきました。
来シーズンに向けた期待と展望
ジュビロ磐田が目指すものは単なるJ1復帰ではありません。
若手が育ち、持続性のある強いチームとしてJ1に定着していくこと、
更にはかつての様なJ1で優勝争いを繰り広げる存在感のあるチームとなることです。
横内監督によって、チームの方向性や戦い方(チーム全員が貢献、どこよりも走る)のベースはしっかり出来てきた。
これを更にレベルアップ(今季必ずしも走り勝てていなかった)しつつ、今季出来なかった補強を積極的にしていく必要があります。
J1で戦うには「絶対的なストライカー不足」が既に指摘されている状況。
(今季チーム内で2桁得点者はゼロ)
今年活躍した高校生Jリーガーの後藤啓介選手は海外移籍(ベルギー1部のアンデルレヒト)が濃厚で、尚更しっかり点が取れるFW獲得が必要。
あらゆる人脈(藤田俊哉SDやドゥンガなどのOB人脈)を使ってしっかりと2年分の補強をすれば、
横内イズムが浸透したチームはJ1で十分戦っていけると信じています。
昨年の今頃とは違って気分高揚中のジュビロサポーターは、
昨年は無かった新選手獲得のニュースを待ち望み、
来年のJ1シーズンスタートを今から楽しみにしています。
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