なぜJ1昇格プレーオフは面白い?東京ヴェルディ-清水エスパルス戦までを振返り

静岡スポーツ

こんにちは、カービーです。

最後の最後までドラマ続きだった今年のJ1昇格レース。

リーグ最終戦での自動昇格争いではジュビロが劇的な逆転昇格。

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ここで惜しくも自動昇格を逃した東京ヴェルディ、清水エスパルスに、山形と千葉を加えた4チームがプレーオフへ。

最終的に東京Vの昇格で決着しましたが、今年のプレーオフは魅力満載の素晴らしいシリーズとなりました!

普段J2に興味を持たない人たちも巻き込んでの大変な盛り上がりぶり、

なぜJ1昇格プレーオフはこれほど面白いのか?

プレーオフを何度か観戦しているカービーが、

決勝の東京ヴェルディ-清水エスパルス戦を含め、今年のJ1昇格プレーオフを振り返ります。

久々のJ1昇格プレーオフに大変な盛り上がり

J2の上位チームが争うJ1昇格プレーオフは、2012年~2017年シーズン以来、6年ぶりの復活。

今回はプレーオフ進出チームの決定までが劇的だったこと、

各試合が白熱の激戦続きだったこと、

決勝がオリジナル10(Jリーグ開幕時からのメンバー)の東京ヴェルディ-清水エスパルスの名門対決だったこと、

などの要素が重なって大変な盛り上がりを見せました。

入念に作られたドラマの様な面白い展開に、普段はJ2に興味の無い多くの人たちの関心も呼び込むことに。

かく言う私(ジュビロサポ)も普段は他チームの昇格争いにはあまり関心を持たないものの、今回ばかりはドップリと楽しませてもらいました。

そもそもプレーオフは面白い!

優勝を賭けた戦いは適度な緊張感がありつつも、ウキウキした楽しい感じを伴います。

一方で昇格・残留を賭けたプレーオフは緊張感どころか悲壮感にも満ちていて、ある意味「生きるか、死ぬか」的な緊迫感があります。

ジュビロサポの私もJ1昇格・残留プレーオフ、優勝を賭けた試合の両方をスタジアム観戦して、両者の違いを肌身で感じてきました。

私がプレーオフで目にしたのは、周囲の女性サポーター達が選手の必死のプレー(ピンチを凌ぐ場面などで)にしばしば涙する姿。

これは優勝を賭けた戦いではあまり見られない光景で、サポーター達の緊迫感がヒシヒシと伝わってくる。

選手のプレーぶりも同様で、プレーオフでの集中力の高さ、手を抜かない(抜けない)様子が見てとれる。

私はその時、「プレーオフに回ったのは不本意だけれど、ある意味究極に面白い試合を見ているな!」と気付きました

そう、プレーオフの試合はとにかく面白いんです!

今回もそうした見応えのある試合が数多く展開されました。

ジュビロの2014年プレイオフはアディショナルタイムで敗退 https://www.jubilo-iwata.co.jp/live/2014/J20141130_2012120203/photo

J1昇格プレーオフ入り争いから劇的

J2最終節ではジュビロの劇的な逆転昇格がありましたが、同時にプレーオフ圏4チーム(3~6位)の決まり方もドラマチックでした。

自動昇格争いから滑り落ちた清水、東京Vに加え、ジェフ千葉が先にプレーオフ圏内を確定。

残る1枠入りを巡り、勝ち点差2以内の3チームが争う展開。

【最終戦直前】
順位 チーム 勝点(得失点差)
5位 千葉  67 (10)PO進出 
6位 甲府  64 (11)
7位 山形  64 (9)
8位 長崎  62 (12)

最終戦の組合せも絶妙で、図ったかの様に5~8位チーム同士の直接対決。
(甲府-山形、長崎-千葉)

特に甲府-山形戦は同勝ち点の戦いで、試合進行とともにプレーオフ圏入りの行方が二転三転します。

まずは甲府が先制し、そのまま行けば甲府がプレーオフへ。

しかし山形が追いつき90分を終えて1-1の同点、このままなら長崎が圏内。
(3チーム同勝ち点、得失点差で長崎が最上位)

アディショナルタイムの数分間は甲府、山形どちらか得点を上げれば勝ち抜け、
そのままなら長崎が圏内、というヒリヒリする戦い。

ここでも最後の最後にドラマが訪れ、

アディショナルタイム2分に山形が甲府を逆転し、ギリギリのところでプレーオフ圏内に滑り込みました。

今回はプレーオフ入りを巡っても劇的なドラマが繰り広げられていたのです。

【最終順位】
順位 チーム 勝点(得失点差)
5位 山形  67 (10)PO進出
6位 千葉  67 (8) PO進出
7位 長崎  65 (14)
8位 甲府  64 (10)

プレーオフ準決勝、上位チームが決勝へ

プレーオフ準決勝は東京V-千葉、清水-山形の組み合わせ。

リーグ戦での結果を尊重し、上位チームは引分けでも勝ち上がる仕組み。

東京V-千葉戦は東京Vが早々に2点を先制、

その後千葉に1点返され、終盤に向け激しい千葉の猛攻を受けるも東京Vが2-1で決勝へ。

清水-山形戦では、清水で不動のGK権田修一選手が体調不良により欠場。

代わって今季リーグ戦に出場の無い大久保択生選手が、6月のカップ戦以来の公式戦出場。

急遽出場の大久保選手でしたが、開始早々から猛攻を仕掛ける山形のシュートにファインセーブを連発、清水は見事に0-0で守り切って決勝に進みました。

GK 大久保選手奮闘 トップチーム | 選手・スタッフ | 清水エスパルス公式WEBサイト (s-pulse.co.jp)

決勝は名門対決、東京V-清水エスパルス

東京・国立競技場での決勝はオリジナル10の名門同士、東京ヴェルディ-清水エスパルスの対決となりました。

東京ヴェルディはJリーグ開幕年の優勝チーム、

清水エスパルスも数多くのタイトルを獲得してきた名門、

東京VがJ1に昇格すれば16年ぶり、清水は1年でのJ1復帰を目指す戦い。

清水の人件費がJ2トップ、東京Vの4倍強(2022年:22億円vs4.9億円)であることなど、

様々なサイドストーリーで煽りに煽られ、尋常ならざる盛り上がりぶり。

チケット発売が試合の5日前だったにも拘わらずあっという間に売り切れ続出で、当日は5万3264人もの大観衆が国立競技場に詰め掛けました。

スタジアムがヴェルディの緑、エスパルスのオレンジに染まる、素晴らしい雰囲気の中で試合が行われました。

激闘の決勝!東京Vアディショナルタイムの昇格

東京Vと清水の試合は満員の国立の雰囲気に相応しい、緊張感のある試合となりました。

リーグ戦上位で引分けでも昇格の東京Vに対し、清水は勝ちが必須。

試合開始から攻勢を掛けるのは攻撃陣にタレントを揃える清水。

しかし堅守の東京Vは最後のところで身体を張って得点を許さない。

膠着状態の中、試合が動いたのは後半15分、

東京Vのキャプテン森田晃樹の不運なハンドで清水がPKを獲得、
これをチアゴ・サンタナが冷静に決めて清水が先制に成功します。

90分を終えても清水1点リードでこのままなら清水昇格。

しかし、最後の最後までもつれるのがプレーオフの伝統!

アディショナルタイムが8分とアナウンスされた時点で何か起きる予感が…

清水は1点を守り切ろうと引き気味なのに対し、東京Vは必死の攻勢。

すると94分に東京VのFW染野唯月がドリブルを仕掛け、
エスパルス高橋祐治がペナルティエリア内でスライディング、

これがファウルと認定されて今度は東京VのPKに。

これを染野が自分で決めて土壇場で追いつき試合は終了、
引き分けで規定通りリーグ上位の東京ヴェルディがJ1昇格となりました。

PKを決めた染野選手 東京ヴェルディ 染野 唯月選手 | 東京ヴェルディ / Tokyo Verdy

緊迫した試合の中で得点は双方ともPKのみ。

サッカーファンとしてはスカッとナイスゴールを見たかった思いもありますが、それを産まなかったのも、PKも、お互いに必死でプレーした結果。

最後の最後まで死力を尽くした両チームの選手の健闘は見事でした。

少ない資金でやり繰りしJ1昇格を果たした東京ヴェルディの戦いぶりは、改めて称賛に値すると思います。

『VERDY GUIDE (号外)』のPDF版を公開しました! | 東京ヴェルディ / Tokyo Verdy

まとめ

優勝決定戦よりも緊迫感があるとも思える昇格・残留争いは、ある意味「生きるか、死ぬか」のサッカーの醍醐味を感じられる戦い。

普段以上に集中力を高め、手を抜かない選手たちの必死のプレーぶりは見応えたっぷり。

それを見守るサポーターの思い入れ、必死の応援も生半可ではありません。

今回はプレーオフ入りを決める所から決勝の東京V-清水戦まで、そんな濃密で魅力的なシーンが展開されました。
(昇格/昇格漏れに絡んだたくさんの人間ドラマも生まれています)

筋書きの無い真剣勝負で生まれたたくさんのドラマ、これがスポーツの本当の面白さなんでしょうね。

やっぱりJ1昇格プレーオフは面白い。

来年もまたJリーグで、ヒリヒリする面白い試合が見られることが楽しみです。

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