2011年に初めて、浜松市が餃子年間支出額で日本一になりました。
その後はライバルである宇都宮市と毎年デッドヒートを繰り広げています。
最近でも浜松市は、2018年1位、2019年2位、2020年1位、2021年2位と常にトップ争いをしています。
少し様子が違うのは2021年の1位が宇都宮でなくて宮崎という新たなライバルが出現したこと。
「浜松餃子日本一」の称号には浜松市民の中で当初戸惑いもありましたが、市民の餃子愛、多くの持帰り専門店、石松餃子などの人気店がひっぱり、「浜松餃子」のブランドはここ10年で全国に一気に広がりました。
浜松市民が戸惑った「浜松餃子 日本一」のニュース
2011年の「浜松餃子 日本一」のニュースには多くの浜松市民が驚き、戸惑いました。
正に寝耳に水。
そもそも「浜松餃子」などというフレーズ、呼び方など、それまで見たことも聞いたこともありませんでした。
もちろん、浜松には餃子がある。
でもそれは単なる「餃子」であって、わざわざ「浜松餃子」などと呼ぶような代物だとは思っていなかった。
いきなり「浜松餃子」と呼ばれる様になって、「べつに特別なものはないはずだけど…」と少し負い目の様なものを感じながら戸惑った私の様な市民は多いと思います。
しかしその後は町おこしも兼ねて、「浜松餃子」をブランド化しようと、しきりに「浜松餃子」という言葉が町中に踊るようになりました。
「浜松餃子の特徴」と浜松市民の戸惑い
円盤状+茹でもやし添え
真っ先に特徴として挙げられるのが、円盤状に配置した餃子、その真ん中にドンと置かれた茹でもやし。
この姿を浜松餃子として連想される方は多いのでは?
しかし浜松市民から(浜松市民でなくても)言わせてもらえれば、餃子の横に添えられる茹でもやしはそもそも餃子では無い!
このカレーは名物だと言われて、その理由が横に添えられた福神漬けだった、みたいなものです。
これはさすがに浜松の一市民として「率直に言って関係ないんじゃない?」と思ったものです。
キャベツ主体の餡 甘みとあっさり感
もう一つの浜松餃子の特徴は使われている餡だと言われています。
地元で取れるキャベツ、玉ねぎ、豚肉が多く使われている。
キャベツがメインなので、あっさり味。
これに豚肉のコクが加わり、更に玉ねぎの甘味も加わってバランスする。
この野菜の甘みとあっさり感で、思った以上にたくさん食べられのが浜松餃子の良さだと言われます。
ここは大いに同意できます。
たしかにどんどん食べられます。
しかしこれも突っ込みどころはある。
浜松でもお店ごとに工夫をし、実は餡の種類もさまざま。
逆に浜松でなくてもキャベツをメインにした餃子店も全国にたくさんある。
これも「浜松餃子」を表現する決定打ではない、と一市民は思っています。
市民は戸惑うけれど「浜松餃子」は人気になっていく
「浜松餃子」の定義を浜松市民は少々負い目に感じながら、最初のうちは「浜松餃子」などと、いかにも特別なブランド餃子の様に言い切るのは気が引けました。
しかし継続は力なり!
「浜松餃子」「浜松餃子」と念仏の様に繰り返すと、それがだんだん実体化してくるのが不思議。
最近では「浜松餃子」という呼び方に、私も周りの人たちもだいぶ馴染んできました。
新東名サービスエリアでの浜松餃子の人気「石松餃子」
新東名高速道路の開通で、浜松餃子の代表格である石松餃子の人気ぶりを目の当たりにしました。
2012年4月14日に新東名が開通した翌日、私は出来たての高速を走ってみる。
新東名では店舗/設備の充実したサービスエリアが話題になっていた。
そこで高速にのってすぐのネオパーサ浜松上りサービスエリアへ。
久々の大型プロジェクト、新東名完成という高揚感もあって、高速からの入口には長~い渋滞!
なんとか時間をかけて入場したフードコート、そこに石松餃子がありました。
その「石松餃子」新東名店には、なんと2時間待ちの大行列!
他の店はそれほどの混みようでなかっただけに、人気ぶりは突出。
会話を聞いていると、県外からのお客さんが多い感じ。
私たちは「市内のお店に行けばいいよね」とそこでは食べなかったけれど、
「そこまでして食べるだけの価値を感じてくれているわけね?」と変に感動(ちょっとした郷土自慢?浜松餃子愛?)したことを覚えています。
石松餃子はそれ以降、なにか有難みを感じてより頻繁に食べるように。
昭和28年創業。
浜松餃子の王道らしく、キャベツの甘みと豚肉の旨味が溶け合っています。
もちもち感が特徴(私はこのもちもち感を最高評価)。
各種ランキングを見ても、私の中でも、たぶん浜松餃子の中でトップクラス。
浜松餃子の人気を引っ張っています。
(ちなみに今は浜松駅の中にも店舗が出来たので、観光客の方も食べやすくなったと思います)
浜松餃子日本一を下支えする多くの餃子専門店/持帰り専門店
普段の生活の中でそれまであまり気にはしていませんでしたが、たしかに浜松には多くの餃子屋さんがあります。
加えて持ち帰り専門の餃子のお店もたくさんある事に気が付きました。
市内には餃子専門店が約80店、餃子を取り扱う店は300店以上あるとのこと。
持ち帰り餃子専門店が多いことなど珍しいこととも思っていなかったけれど、県外の友人からの指摘でその多さに気づく。
それらが「浜松餃子日本一」の下支えになったのは明らか。
最近ではさらに、市内の中華レストラン「五味八珍」がいくつかの店舗敷地内に、冷凍餃子が買える自動販売機の設置。
他にもいくつかのお店や会社が餃子の無人販売所を設置するようになってきていて、ますます簡単に浜松餃子が食べられる環境が整ってきています。
餃子をたくさん食べる浜松市民の餃子愛が「浜松餃子日本一」を支える
ふりかえれば、たしかに私も、周りの人たちも、昔からよく餃子を食べていた。
私にとって餃子は、野菜と肉をバランスよく食べられる、腹持ちもいい、そしておいしい、お酒のおつまみにも最高、
ある意味、万能食の一つかもしれません。
自分ひとりで家飲みをする時などには、かなりの頻度で登場。
持ち帰りの餃子屋さん、スーパーの総菜コーナーで買ったり。
浜松のスーパーの餃子は侮るなかれ、スーパー店間で味を競っている感じもあって、最近お気に入りのスーパーCの餃子など、かなりおいしい!
なんやかやで浜松人はそれぞれある種の「餃子愛」を持っている。
そして餃子はますます美味しく、より簡単に手に入れられる様になってきてもいる。
この感じだと浜松が近い将来、餃子消費量日本一に返り咲くことになりそうだ、と浜松びいきはほくそ笑んでいます。
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