最近、人気急上昇中の京都の額縁庭園のあるお寺。
京都大原の里三千院のすぐ先にある「宝泉院」と、詩仙堂近くにある瑞巌山「圓光寺」。
まだ桜の開花前、人出も少なく落ち着いた雰囲気の中で両方のお寺を訪ねて、額縁庭園を堪能してきました。
どちらがおすすめか、ご紹介します。
京都に二つの「額縁庭園」は絵画の様な美しさ
見事な庭園を絵画のように見立て、柱や障子、鴨居・敷居を額縁に見立てた、まさに額縁の様な庭園。
2015年にBS日テレのTV番組「ぶらぶら美術館・博物館」で山田五郎さん、おぎやはぎ、高橋マリ子さんが「宝泉院」を訪れ、一方の「圓光寺」もBS朝日の京都歴史探訪で紹介されました。
番組で紹介された季節ごとに見せる絵画の様な美しさと、「額縁庭園」というなんとも言えないエレガントな呼び名がずっと気になっていました。
今回「宝泉院」「圓光寺」両方のお寺を訪れてきました。
宝泉院の「額縁庭園」はお茶を飲みながらゆったりする
住所: 京都市左京区大原勝林院町187番地
拝観時間:9時00分~17時00分 ※受付は16時30分まで
拝観料(茶菓付) :大人800円/中・高700円/小600円
(隣接する勝林院と合わせてのチケットは大人1000円)
嘉禎年間(1235年頃)に『声明目録』を著すなど声明の大家「宗快法印」によって、大原寺勝林院の僧坊の一つとして創建。
盤桓園(ばんかんえん)、鶴亀庭園、宝楽園(ほうらくえん)という3つの庭園があり、書院からの盤桓園(「立ち去りがたい」という意味)を見る眺めが「額縁庭園」として親しまれている。
【感想】宝泉院は小ぶりなつくりのお寺。
庭を歩くというよりは、額縁庭園を部屋からゆったり眺めて楽しむお寺。
客殿が西、南と二方向に大きく口をあけ、開放的な感じで庭の花や樹々をのぞめます。
なにか、外枠部分を極力細く、画面を最大限大きくした最新型の大型テレビのようなダイナミック感あふれるイメージ。
確かにこれは額縁です!
パンフレットには「客殿の西方、竹林を見る方向が額縁庭園」と記載がありますが、南側の正面(立派な木が中心にどんとある)を部屋奥の床の間前に座って眺めた景色も、西側竹林と全く違う風情のまさに「額縁庭園」で、両方とも素晴らしい。
お抹茶、若狭屋手作りの和菓子は拝観料に含まれ、客殿の好きな場所に座ってゆっくり楽しみます。
観光シーズンでなかったこともあってとにかく静か。
客殿の畳でしばらくゆったりすると心が落ち着きます。
予定がなければもっとのんびり座っていたかったところ!
【注:駐車場】三千院に向かう道沿いにいくつか駐車場があり、料金は三千院に近づくにつれ、300円、400円、500円と上がり、なぜか最後にある駐車場は400円(ただし繁忙期は満車に注意)
京都 大原 宝泉院 ~ 額縁庭園のお寺・額縁寺 ~ (hosenin.net)
瑞巌山「圓光寺」は額縁庭園+石のモニュメント+丸山応挙
住所:京都市左京区一乗寺小谷町13
拝観時間:9時~17時
料金:一般 500円 / 中・高生 400円 / 小学生 300円
慶長6年(1601年)に徳川家康が国内教学の発展を図るため、三要元佶禅師を招き、伏見に開いた洛陽学校がはじまり。
書院は文亀2年(1502年)の再建。廊下は慶長5年(1600年)、伏見城で自刃した徳川家康の家臣、鳥居元忠以下数百名が自刃したのを供養するため、その床板を天井に使用した「血天井」とよばれる。
部屋から見る「十牛之庭」(じゅうぎゅうのにわ)が額縁庭園として有名。
【こんなところ】圓光寺は敷地が広く、趣の異なる庭が配置され、貴重な重要文化財もたくさん展示されている。
まず印象に残るのが、寺への階段を上って入口入ってすぐのところにある枯山水のある奔龍庭。
大胆な造形の石のモニュメントを、これまた大胆に配置し、瓦を並べて白砂とともに雲海に見立てる。伝統的でありながら西洋風のモダンさも感じる。
これはアート!躍動感あふれ、シンプルに「カッコいい」。
一方こちらの額縁庭園は、宝泉院とは違って額縁が見られるのは一方向のみ。
こちらの庭も石灯籠や石が印象的におかれすばらしいが、額縁庭園でゆっくりするなら宝泉院に軍配か?
十牛之庭は広く美しくレイアウトしてあって、中をゆったり歩くことができる。
寺の重要文化財の中には、円山応挙の「雨竹図」「風竹図」の屏風、これが素晴らしい!
最初に見た時には全部同じような竹の葉に見えたのだけれど、右側雨竹図の竹の葉は雨の重みでしっとり垂れ下がり、左の風竹図の竹の葉は風にそよぐ。
何気なく並べてある一対の屏風だけれど、応挙の技と美意識を感じ、これを見るだけでも価値あり!
【注:駐車場】無料駐車場が寺の下にあり
瑞巌山 圓光寺 | Zuiganzan Enkouji Temple
「宝泉院」「圓光寺」どちらの額縁庭園も見てみたい!
京都で有名な二つの「額縁庭園、「宝泉院」と「圓光寺」。
額縁庭園を眺めてお茶とお菓子をいただきながらのんびりできる宝泉院、額縁庭園に加えて応挙の絵や石のモニュメントが楽しめる圓光寺。
人により好みはわかれると思いますが、私の結論は「両方いい」。
同じ「額縁庭園」を謳っていても、全く異なる風情の二つのお寺。
両方を訪ねて、違いを「面白がる」とまた楽しさが増すと思います。
両方ともオススメのお寺であること間違いありません。
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