こんにちは、カービーです。
ジュビロ磐田のキャプテンは山田大記(やまだひろき)選手。
チームの精神的支柱として責任を果たし、ジュビロJ1復帰に大きく貢献しました。
新シーズンに向けてもチーム内最速の契約更新で、山田選手への全幅の信頼が窺えます。
しかし山田選手の活躍はサッカーだけに留まりません!
かねてより病院や養護施設を訪ね、子ども向けボランティアを継続。
さらには子供たちの貧困問題に立ち向かおうと、なんと一般社団法人Re:Frame(リ・フレイム)まで立ち上げてしまいました!
今年はその活動の一環として子ども食堂開設に取り組み中。
超多忙な中、真剣に社会貢献に取り組む現役プロ選手、山田大記選手の法人設立の経緯、活動などをご紹介します。
ジュビロのエース10番を背負う山田大記選手
山田大記選手は1988年12月27日生まれ、浜松市出身で日本代表経験もあるミッドフィールダー。
ジュビロの下部組織であるジュビロSS浜松、ジュニアユースを経てサッカーの名門藤枝東高へ進学します。
浜松から県中部の公立高校、藤枝東に進学するケースは極めて稀。
当時は浜松の高校サッカーが低迷期で、極端に遠くなく、サッカーの強豪校で進学校でもある藤枝東高校に進むことにしたのでは?
(先輩に中山雅史さん、長谷部誠選手など多数輩出)
その後明治大学へ進み1年時からレギュラーとなり、ユニバーシアード代表として銅メダルも獲得。
卒業後はジュビロに入団し、1年目から背番号10というエースナンバーを背負う中心選手となります。
ちなみに入団してしばらくの期間、山田選手はジュビロのホームページのコーナーを担当し、毎回丁寧な長文を掲載、ユーモアと知性を感じさせる文章は見事!
毎回楽しく読ませてもらって「頭の良い選手なんだなー」と感心した覚えがあります。
2014年7月からの約3年間にドイツ2部のカールスルーエSCでプレー、
2017年8月にジュビロ磐田へ復帰し、2023年シーズンからキャプテンに就任しています。
ジュビロ山田大記選手、子供の貧困に立ち向かう
山田選手はジュビロの中心選手として活躍すると共に、他のスポーツ選手と同様に、多くの社会貢献活動に携わってきています。
しかし山田選手の活動はその枠組みに留まりませんでした。
一般社団法人Re:Frame設立
山田大記選手はチームメイトの小川大貴選手とともに、子供たちの貧困問題解決のために一般社団法人「Re:Frame(リ・フレイム)」を2022年9月に立ち上げています。
将来的には寄付金の受け皿となりやすい認定NPO法人への移行も考えるという、超本気の取り組み。
昨夏からは山田選手が経営学修士(MBA)取得のため在学するグロービス経営大学院の仲間5人がサポートに加わり、法人の目指すべき方向性を決めたそうです。
このことで驚いたのは、山田選手が経営大学院に通って勉強していたこと!
グロービス経営大学院は社会人がMBAの資格を取れる著名な大学院。
私もそこでMBAを取得した優秀な若者を知っていますが、仕事の傍ら普段はリモート学習、週末に浜松から名古屋校に通い、かなりの勉強量が要求されるところ。
(山田選手も比較的近い名古屋校に通っていると推測します)
相当の覚悟がいるMBA取得にプロのアスリートが挑戦しているのは感嘆もの!
山田選手の意識の高さと行動力のなせる業だと感心させられます。
Re:Frameで描く夢
Re:Frameは法人の目的をホームページに掲げ、
「相対的生活困窮家庭で生活する子供たちが直面する課題解決に取り組み、衣食住を中心に生活環境を整えるサポートを行う」
と謳っています。
【*相対的生活困窮:世帯所得が平均の半分未満で、標準的生活を送ることができない状態】
そして将来的には、
・学習・体験機会を提供し、成長機会の少なさが生む貧困の連鎖を食い止める
・子どもたちが格差で劣等感を感じ、自己肯定感を削がれてしまっている状況にアプローチする
と壮大な夢を描いています。
Re:Frame設立のきっかけは施設の児童の一言
児童の貧困問題に全力で取り組もうとなったきっかけは2021年末、
クリスマスプレゼントを贈るため浜松市内の児童養護施設を訪れた際の出来事。
施設にいたサッカーの上手な小学3年の男の子が、悲しげな顔でつぶやいた一言に衝撃を受けます。
「僕はここにいるから、サッカー選手になる夢は諦めちゃった」
貧困が原因で子どもが選手になる夢を諦めているという現状を知り、山田選手は
「心にズーンと響き、ショックだった。あの表情は忘れられない」
と振り返っています。
山田選手と小川選手は施設からの帰りの車中、以前から養護施設や小児病棟に足を運んでボランティア活動に携わってきたことにも、
「自分たちが気持ち良くなっていただけだね」
と沈痛な思いをしたそう。
このことを契機に 、子供たちが貧困で夢を諦めなくてもよい社会を作りたいと、法人設立を決意しました。
Re:Frame子ども食堂で貧困問題に立ち向う
相対的生活困窮の問題には多くの複雑な要因が絡まり合います。
これを山田選手が通う大学院の仲間たちが整理をし、纏めてくれたそうです。
(優秀な仲間の集まりですから、心強いサポートがあったことでしょう)
貧困の連鎖、学習の遅れ、孤立、自己肯定感の欠如…
纏められた課題がずらり並ぶ図表に目を通し、山田選手は最も基本的で重要な「食の問題」から取り組もうと決め、これが「子ども食堂開設」へと繋がります。
移動式か拠点型かは未定なものの、今年中の静岡県西部での子ども食堂開設が当面の目標。
更には子ども食堂を軸に、各支援団体と協力して地域で子ども家庭を支えられる体制構築も視野に入れている様です。
活動には現役プロサッカー選手の知名度や発信力を生かしていくとのこと。
小川選手は、
「前面に出ていくことにためらいがあった。本業のサッカーの成績への批判もあるだろうし」
(当時ジュビロは降格危機の中)
とも考えたそうですが、今は発信力を発揮して出来ることを地道にやっていくと腹を括りました。
そこから子ども食堂開設に向けた活動が始まりました。
Re:Frame徐々に活動開始
子ども食堂開設に先立って、
「子どもたちを取り巻く課題への理解促進」
「活動を応援してくれる仲間の輪を広げること」
を目的に徐々に活動が始まっています。
昨年9月には2日間のコーヒーイベント(山田選手オリジナルブレンド販売など)を開催。
11月中旬には浜松市中区の子ども学習支援団体「みらいTALK」の小中高生40人を浜名湖畔に招き屋外バーベキューを開催。
12月には「Re:Frame クリスマスイベント2023 in MIFA」(これのみ東京での開催)、
「Re:Frame 大忘年会」、3病院小児病棟へクリスマスプレゼント持参など、
少しずつRe:Frameの活動は始まっています。
これらの活動の収益を活動費に充てながら、その延長線上に子ども食堂開設が繋がっていくことになります。
一般社団法人 Re:Frame (syncable.biz)
まとめ
ジュビロのキャプテン山田大記選手はチームの中心選手として活躍する一方、これまでも子ども向のけボランティア活動に熱心に取り組んできました。
しかし養護施設にいる児童から告げられた「僕はここにいるから、サッカー選手になる夢は諦めちゃった」との言葉に衝撃を受け、子ども達の貧困問題に更に力を注ぐことに。
貧困のために夢を諦めなくても良い社会作りを目指し、一般社団法人Re:Frameを立ち上げ、
まずは貧困を「食の問題」から取り組もうと決め、年内の子ども食堂開設を目指しています。
プロサッカー選手としての活動も大変な中、子供の貧困問題を法人設立してまで取り組む山田選手の姿勢には頭が下がる思い。
Re:Frameの活動、子ども食堂開設が順調に進むことを祈っています。
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