こんにちは、ラグビー観戦歴40年のカービーです。
フランス・ワールドカップ(WC)で熱戦が続いたラグビー。
日本代表は決勝トーナメントには行けなかったものの、今後に期待を抱かせる爪痕は残しました。
過去2度のWCでは大会で大きく盛り上がるも長続きしなかったラグビー人気。
今回こそラグビー熱が定着する様に、国内のラグビー最高峰リーグワンに期待が掛かります。
そのリーグワンに所属する、静岡県磐田市に本拠を構える静岡ブルーレヴズが新体制をスタート!
新シーズンでの活躍が期待される静岡ブルーレヴズの歴史、
藤井新監督と「スクラム番長」長谷川慎コーチを迎えた新体制についてお伝えします。
静岡ブルーレヴズの歴史
ヤマハ発動機ラグビー部としてスタート
静岡ブルーレヴズの原点は1982年に始まったヤマハ発動機ラグビー同好会。
1984年にこれが正式なヤマハ発動機ラグビー部へと生まれ変わります。
有望選手となる社員を採用し、県社会人リーグの2部から1部、東海リーグへと少しずつ昇格。
1998-99年シーズンにはついに国内最上位の関西Aリーグ1部(当時のリーグは関東・関西に分離)に上り詰めます。
その後は2002-03年シーズンに初優勝するなど、強豪チームとしてのポジションを固めていきます。
トップリーグ開始、ヤマハ発動機ジュビロへ
2003-04シーズンには関東・関西を統合、プロ化の色合いが強まる形でトップリーグが誕生します。
ここで「ヤマハ発動機ジュビロ」とチーム名を変更。
サッカーのジュビロ(親会社は同じヤマハ発動機)と名前を共有することで、より大きなPR効果を狙った形。
2011年からは清宮克幸監督(日本ハムの清宮選手の父親であることも話題に)が8シーズンに渡り監督を務め、その間にチーム力が向上。
トップリーグでの優勝こそ無かったものの、常に上位で優勝争いに加わり、2014-15の日本選手権では念願の初優勝を飾っています。
この時には2015年の英国ワールドカップ(日本が南アフリカを破る大金星を挙げた大会)でも活躍、
プレースキックの際に両手人差し指を合わせる“五郎丸ポーズ”でブレークした五郎丸歩選手がチームの主軸でした。
ラグビーリーグワン発足、静岡ブルーレヴズ誕生
2022年シーズンから新リーグのJAPAN RUGBY LEAGUE ONEが発足。
これに伴い、チームは企業に所属するラグビー部という性格から本格的なプロ球団へと衣替え。
新たに静岡ブルーレヴズ株式会社(株主は100%ヤマハ発動機)を設立、
より地域社会から支援を得ようとチーム名から完全に“ヤマハ”を消し去ります。
昨シーズンのリーグワン(ディビジョン1)12チーム中、チーム名から企業名を外したのは静岡ブルーレヴズのみ。
企業のPRではなく地域に根ざしたチームにしたい、地域のラグビーを盛り上げることを優先しよう、という姿勢は評価できるかと思います。
因みに会社の幹部として五郎丸歩さんがCRO(クラブ・リレーションズ・オフィサー)に就任、
各種活動を通してファン獲得、ラグビーの普及に奮闘しています。
本人は経営の勉強もしている様で、将来はブルーレヴズの社長に就くことになるのではないでしょうか?
静岡ブルーレヴズ新体制発表
静岡ブルーレヴズはこれまでの2季のリーグワン(ディビジョン1)で連続8位(12チーム中)。
トップリーグ時代に優勝争いをしていた頃と比べると今一つの感があります。
そんな中、チーム力の復活を狙って新首脳陣へ体制刷新が発表されています。
先日の10月21日には新体制の説明を兼ねた新監督の就任会見を実施。
静岡ブルーレヴズの山谷社長からは、
「過去2シーズンは8位と戦績が上がらず、かつてのように優勝争いをしていきたいという強い思いで指導者を選定した」
と、藤井雄一郎監督の就任について説明しています。
藤井新監督、弱小チームでも手腕発揮
藤井雄一郎監督は天理高校、名城大学、サニックスでセンターやウイングのポジションでプレー。
現役引退後は母校の監督を務め、わずか2年で20年ぶりの東海大学リーグ優勝。
その後2005~18年には宗像サニックスブルースで監督を務めます。
資金の乏しいチーム(2022年には廃部へ)ながら、それまで不振が続いていたチームは長くトップリーグで健闘。
その手腕が高く評価され、監督業と並行して日本協会の仕事にも関わる様になります。
2019年からはサニックスを離れ日本代表強化委員長、
2021年からナショナルチームディレクターに就任。
2度のワールドカップ(日本、フランス)で、ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)を支えました。
日本代表「スクラム番長」長谷川慎さんも静岡ブルーレヴズに復帰
藤井監督就任と同じ時期に、日本代表の「スクラム番長」として有名になったスクラムコーチの長谷川慎さんもブルーレヴズのコーチに復帰します。
長谷川慎さんは、体格で優位でない日本代表が世界の強豪に伍すスクラムの力を身に付けることになった功労者。
2011年から2016年度までヤマハ発動機のフォワードコーチを務め、スクラム強化における手腕と理論が認められ2016年秋に日本代表へ入閣。
2019年の日本代表の決勝トーナメント進出に貢献した後にはヤマハ発動機に戻るも、今回のワールドカップに向けて再び日本代表に呼ばれていました。
日本代表とを行ったり来たりしながら、今回で3度目のブルーレヴズ(ヤマハ発動機)での指導となります。
藤井雄一郎新監督、長谷川慎さんに口説かれる
藤井さんはしばらく協会フロントの仕事に従事してましたが、もともと現場にいたので次は監督をと考えていました。
藤井さんの手腕はラグビー界では知れ渡っており、当然いくつかのチームからオファーが届く。
その中で、代表での活動で一緒だった「長谷川コーチに口説かれた」(本人弁)ことからブルーレヴズを選択します。
藤井監督は、
「長谷川慎がブルーレヴズにいたことが大きかった」
「迷いなく一番好きなチームに来られた」
とも言っていて、藤井さんと長谷川慎さんの相思相愛ぶりが垣間見えます。
人の繋がりは面白いもので、こうして藤井さんはブルーレヴズの監督を引き受けることになりました。
藤井監督、静岡ブルーレヴズ新体制で抱負
藤井さんは過去の監督時代に、厳しい制約の中でも成果を出し続けてきた名将。
今回、日本代表でジェイミー・ジョセフHCと共にチーム強化をして来た経験から更に多くのことを吸収した様です。
「スクラム、ラインアウト、モールの新しい知識や使い方を学んだ」
「ジェイミーの得意とするコンタクトエリアの強さ、強化の方法は一番勉強してきた」
と、更にラグビー指導は厚みを増して行きそうです。
今季の目標に関しては「トップ4にしっかり入れるチーム」を作っていくこと。
(トップリーグ時代のヤマハ発動機ジュビロのイメージですね)
そのために選手には、
「それぞれの選手が代表クラスにならないといけない」
「優勝を目指してやろう」
と発破を掛けているそうです。
「選手が持っているポテンシャルは他のチームと変わらない」
「そこを伸ばしていければいいチームになる」
と自信を見せる藤井監督。
「スクラム番長」長谷川慎コーチも伝統のスクラムを更に強化してくれるでしょうから、チームのレベルアップを大いに期待したいものです。
12月17日開幕へ静岡ブルーレヴズ決起集会
新監督就任会見の同日、静岡ブルーレヴズは約700人のファンと一緒に決起集会を浜松市内で開催。
藤井雄一郎監督が来場者を前に「応援が力になる。一緒に静岡を盛り上げていきたい」と応援の必要性を力説します。
トンガ代表のピウタウ選手ら9人の新加入選手を含めた選手紹介では、FW、BKのポジション毎にステージ上で今季の意気込みを表明。
セットプレーの中心となる伊藤平一郎選手(元日本代表)は「スクラムからチームを引っ張っていきます」と頼もしくアピール。
12月17日にヤマハスタジアムで行われる神戸との開幕戦のイベントの紹介(開幕戦では素敵なマフラーがもらえます!)や新ジャージーも披露、
ラグビーシーズンを待ちわびるファンの気分を大いに盛り上げました。
シーズンの開幕が本当に楽しみです!(私も開幕戦は観戦予定です)
まとめ
ワールドカップで盛り上がったラグビー人気が一過性で終わらず、本物として定着するには国内リーグの隆盛がカギ。
そこに参加する静岡ブルーレヴズ(旧・ヤマハ発動機ジュビロ)には、最近の低迷ぶりを払拭して、新シーズンで元気に旋風を起こして欲しいもの。
共に今回の日本代表強化に携わった藤井監督、「スクラム番長」こと長谷川慎コーチが就任、
かつての様な優勝争いに絡むチームとしての活躍が期待されます。
人気掘り起しのために、クラブもグッズの提供やイベントなど、様々なことを仕掛けてくる様子。
大きな男が激しくぶつかりあう冬場のスポーツの代表格ラグビーを観にヤマハスタジアムに出掛けて、
声を張り上げて静岡ブルーレヴズの応援を楽しみたいものです!
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