こんにちは、カービーです。
最近少々値段が上がり敷居が高くなってしまったけれど、やっぱり美味しいウナギの蒲焼き。
ウナギ養殖発祥の地であり、長いウナギ文化の歴史を持つここ浜松には、
高い質とバリエーションを誇る層の厚いウナギ料理店が集います。
浜松を訪れる方からは「浜松でウナギを堪能したいけれど、どこで何を食べれば良いの?」という声も聞く。
そこで今回は浜松のウナギ料理のガイドとなる様に、知っておくべき4択(関東風・関西風・共水ウナギ・天然ウナギ)について解説していきます。
浜松はうなぎ養殖発祥の地
1897年(明治30年)、養鰻(ウナギ養殖)の父、服部倉治郎は東京から愛知県に向かう途中に汽車の窓から浜名湖を眺めながら、この地がウナギ養殖に最適だと直感します。
その後、実地調査を経て浜松に養鰻場をつくることを決意。
1900年(明治33年)には浜名湖畔の浜松市西区舞阪町に約8町歩の養鰻池を作り、
浜名湖でクロコウナギ(15センチほどに成長したウナギ)を捕って育て、
日本における本格的なウナギ養殖は始まりました。
うなぎは浜松の大切な観光・産業資産
数多くのウナギ関連アイテム
倉治郎のウナギ養殖から120年以上が経過し、浜松はすっかり「ウナギの町」になりました。
なにしろ市のイメージキャラクター『出世大名家康くん』のちょんまげもウナギです。
浜松市内/浜名湖周辺にはウナギ料理専門店が数多く存在。
ウナギを使った加工品を製造販売するお店も多く、うなぎの佃煮やうなぎの骨のお菓子が売られています。
変わり種はウナギの骨や頭を肥料にして育てたさつまいも『うなぎいも』。
とにかく多くのウナギ関連アイテムが浜松に揃います。
浜松土産の定番、うなぎパイ
ウナギ商品で最も有名なのは「夜のお菓子」というキャッチコピーの春華堂の『うなぎパイ』かも知れません。
浜松を訪れるビジネスマンや観光客の定番のお土産で、新幹線でも春華堂の紙袋を持った方を多く見かけます。
うなぎパイは県外では東京、名古屋、中部国際空港の限られた店舗でのみの取り扱い。
職人の手づくりで割れ易く発送に不向き、
通販もされておらず他県で入手困難なことからお土産として重宝がられているのでしょう。
とにかくウナギは浜松にとって、観光面でも産業面でもとても重要なコンテンツです。
浜松のウナギの蒲焼きのバリエーションを理解すべし
ウナギ料理には蒲焼きや白焼き、ひつまぶしなど様々な食べ方がありますが、人気の中心はやはり蒲焼きですよね。
浜松でウナギの蒲焼きを食べる際に理解しておいた方が良いことがあります。
それは“焼き方”と“ウナギの種類”。
焼き方には関東風・関西風があり、
ウナギの種類には養殖の『浜名湖ウナギ』、浜名湖天然ウナギ、
大井川共水ウナギが存在します。
ウナギ料理に関東風、関西風
ウナギの蒲焼きの関東風、関西風では調理の仕方や焼き方に大きな違いがあります。
【関東風】
関東風は竹串を使い、背開きにして一度白焼きしたものを、蒸してから再び焼く。
関東の武士文化の中では腹開きは切腹に繋がると忌み嫌われ、背開きなったと言われているのは有名な話ですね。
余分な脂が落ちて、ふっくら柔らかいのが特徴です。
【関西風】
関西風のうなぎは金串を使い、腹開きにして、蒸さずに焼く。
皮がパリッとしていて香ばしいのが特徴です。
浜松には関東風・関西風が混在
浜松は文化的には関東・関西の中間に位置しています。
ウナギ料理でも関東風・関西風の境界に位置し、両方のお店が混在。
浜松商工会議所発行の「2010年版(最新の統計と思われる)うなぎ本」では;
ウナギ専門店118軒のうち、関東風が90軒、関西風が26軒、両方を提供する店が2軒。
関東風が主流ですが関西風の店も多く、どちらも楽しめるバリエーションの豊富さが浜松にはあります。
ちなみに名古屋系の『ひつまぶし』を扱うお店も数多く存在します。
関東風店舗☞ http://dohama.jp/unagi/kanto/
関西風店舗☞ http://dohama.jp/unagi/kansai/
浜松のウナギ料理ではウナギの種類の選択も
浜松のウナギ料理で使われるウナギの種類は主に3種類。
圧倒的多数派は養殖による『浜名湖ウナギ』ですが、浜名湖の天然ウナギ、大井川共水ウナギも忘れてはいけません。
養殖の『浜名湖ウナギ』
ウナギが好む温暖な気候と晴天率の高さがあって始まった浜名湖周辺での養鰻。
三方原台地から供給されるミネラル豊富なきれいな地下水、栄養たっぷりの鮮魚をエサに、ストレスの少ない環境下でウナギは育てられています。
結果、身が柔らかく脂がのって、旨味がたっぷりのおいしい『浜名湖ウナギ』ができあがります。
*浜名湖ウナギ:浜名湖地域で養殖されたウナギを指すブランド
浜名湖天然ウナギ
ウナギ養殖に適した浜名湖は、当然天然のウナギにも適した環境が整っているということ。
(但し漁獲量は少ない)
自然の中で長い年月をかけて育つ天然ものはサイズはバラつきますが、運動量が多く身がしまってしっかりした肉質。
養殖に比べて「身の香りが素晴らしい」と、白焼きでその違いを楽しむ方もいます。
天然ウナギを提供するお店☞ http://dohama.jp/unagi/tennen/
大井川共水ウナギ
大井川共水ウナギは、焼津市にある株式会社共水が養殖するウナギ。
大井川の伏流水を使用した養殖場で、無投薬で天然ウナギと同様に四季を何度も体感させ、ゆっくりと育てていきます。
天然ウナギに近づける様に養殖をしているため、天然に近い肉感と味わい・風味が売り。
一方で天然に比べて安定した品質を担保できる良いトコ取り。
浜名湖産のウナギではありませんが、全国で共水ウナギを扱う店は40軒ほどで、うち2軒が浜松にあります。
【浜松の共水ウナギ提供のお店】
うなぎ 大嶋
浜松市南区東若林町645
053-447-3656
鰻処 うな正
浜松市北区三方原町467-4
053-437-3451
【まとめ】どのウナギの蒲焼きが一番おいしいのか?
浜松で食べられるバリエーション豊富なウナギの蒲焼きですが、それではどのウナギを食べれば良いのか?
関東風?
関西風?
共水ウナギ?
浜名湖天然ウナギ?
これに対する答えはズバリ
「それはあなた次第!」。
ふっくらが好きか、しっかりが良いか、硬めが良いか、これは個人の好みの問題で人に聞いても仕方のないこと。
浜松で名の通ったお店はどこをとっても品質は担保されているので、自身で選択することで大きな失敗はないと思います。
私は個人的にはふっくらした関東風が好み。
しかしパリッとした関西風も食べるし、身のしっかりした共水ウナギや、野性味のある天然ウナギも時には食べたい。
(共水ウナギ、天然ウナギは値段がほんの少し高め)
つまり「機会があれば(財布の許す範囲で)全部食べてみたら良い」ということ。
浜松の蒲焼きのバリエーションを理解して、店選びから実食まで、たっぷり楽しんでみてください!
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