こんにちは、カービーです。
NHK大河ドラマ「どうする家康」で有村架純さんが演じる瀬名(築山殿)。
史実では瀬名は信長の命を受けた家康の指図によってわずか38歳で絶命します。
(どうする家康ではかなりの脚色がされていて、瀬名は自ら望んで自害したことになっていますが、史実では殺害されたとする説が有力)
瀬名が殺害されたのが佐鳴湖畔の大刀洗の池、死後に祀られたのが西来院(せいらいいん)で、浜松大河ドラマ館から徒歩14分のところにあります。
今回は西来院と太刀洗の池と併せてご紹介します。
瀬名(築山殿)が殺害された太刀洗の池と埋葬された西来院
家康の正妻だった瀬名(築山殿)は、1579年(結婚して22年後)にわずか38歳にして、家康の命によって殺害されます。
ことの起こりは長男信康と正室である五徳(織田信長の娘)との不仲。
五徳は父信長に、甲斐の武田家との内通など、瀬名と信康の罪を訴える十二ヶ条の訴状を送ります。
これが原因で信長が家康に信康の切腹を命じ、これに瀬名が巻き込まれた形となりました。
ことの真相は不明ですが、最終的には家康は信長の命令に従う形で、瀬名と信康は命を落とす事となります。
瀬名殺害の経緯はこちら ☟
このとき瀬名が殺害されたのが浜松市にある佐鳴湖近くの太刀洗の池、埋葬されたのが西来院です。
瀬名(築山殿)が殺害された太刀洗の池
瀬名(築山殿)が家康の命により家臣の野中重政に殺害されたのは天正7年(1579年)8月29日。
野中重政が瀬名を斬った刀の血を洗ったとして、そこにあった池は太刀洗の池という名がつきました。
約50平米ほどの池でしたが、現在はその北側に史跡碑があるだけで池は残っていません。
かつてこの辺りは何か妖しい感じで近づきたくなかった場所でしたが、現在は立派な浜松医療センターが建つ場所となっています。
太刀洗の池の史跡碑は医療センター敷地内にあり、現在新病棟建築工事中(工事期間は令和6年1月11日まで)で残念ながら見ることができません。
【太刀洗の池跡】
所在地 静岡県浜松市中区佐鳴台5-6-1
西来院の開山と瀬名(築山殿)の埋葬
高松山(こうしょうざん)西来院の起こりは正長元年(1428年)。
月窓義運禅師(げっそうぎうんぜんじ)が開山した曹洞宗の寺で本尊は釈迦牟尼仏。
瀬名(築山殿)が太刀洗の池で殺害された折に、家康が瀬名の死を悼んで(経緯は何であれ)、潙翁(いおう)禅師に命じて祀った(埋葬された)お寺です。
(太刀洗の池から東に約1.8kmの距離)
瀬名の他に、家康の異父弟松平康俊、江戸時代の浜松の女流歌人の杉浦真崎(若き日の賀茂真淵を指導した)の墓なども西来院にあります。
ひっそりと瀬名(築山殿)を祀る西来院
西来院は閑静な住宅街の中にひっそりとあります。
普段から参拝者は多くはなく、私が訪れた時も(平日)瀬名の墓所を目当てにお一人の方がいらしていただけ。
通りに面した門をくぐって参道を行くと、左に並ぶのが約300年前の江戸時代に建立され浜松最大最古といわれ六地蔵尊。
往時の地蔵信仰を今に伝えています。
参道の突き当りの本堂は太平洋戦争の際に浜松空襲で焼失し、現在は鉄筋造りの近代建築となっていますが、徳川家ゆかりのお寺と言うことで壁には葵の御紋。
本堂の左側の墓地に築山殿を祀る月窟廟(がっくつびょう)があります。
西来院の月窟廟に瀬名(築山殿)を偲ぶ
西来院の墓地中央、奥にあるのが瀬名(築山殿)が埋葬されている月窟廟。
本堂同様に浜松空襲で焼失しましたが、昭和53年(1978年)の400年忌に復元されました。
小さな廟堂の中にある瀬名の墓石は、美貌で有名だった瀬名姫を連想させる、
見返り美人のフォルムを連想する様な優美で可憐な形をしています。
ここに悲運にも殺害された瀬名が家族と離れて一人眠っている、
そう思うと不憫な気持ちになり、思わず手を合わせました。
ちなみに廟堂前にある石灯籠は、瀬名を殺害した野中重政の子孫の寄進と伝えられていて、立場はそれぞれでも皆が哀悼をしたわけです。
【西来院(せいらいいん)】
住所 静岡県浜松市中区広沢2丁目10-1
拝観 境内自由
駐車場 無料駐車場(参拝者専用)
【大河ドラマ館から西来院は歩いて14分(1.1km)】
まとめ
「どうする家康」で取り上げられる瀬名(築山殿)の殺害事件(築山殿事件)は浜松の佐鳴湖近くで起きました。
38歳の若さで愛息とともに夫に見放され、家臣に殺害された無念さは想像に難くありません。
殺害場所となった太刀洗の池は現在工事で見学は出来ませんが(2023年中)、西来院にある瀬名の眠る墓所、月窟廟は観覧無料で誰でも見学が可能です。
ひっそりと佇む月窟廟の優美な墓石には、悲劇の瀬名を偲ばずにはいられない雰囲気があり、見る価値ありと思います。
西来院は大河ドラマ館からわずか徒歩14分の距離、せっかく大河ドラマ館に行かれるのであれば、是非脚を伸ばして寄られたらいかがでしょうか?
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