こんにちは、カービーです。
断崖絶壁に建てられた建物って、なにか強烈に心惹かれるものがありますよね?
長野県小諸市にある布引観音の観音堂もその一つ。
「どうしてわざわざこんな大変なところに作ったんだろう?」という思いと絶景に興味をそそられ、布引観音へ行ってきました。
布引観音は「ことわざ」にもなっている「牛にひかれて善光寺参り」のフレーズの生まれた場所。
美しい景色もさることながら、伝説のある布引観音のレポートです。
布引観音
長野県小諸市、小諸駅の西よりにある天台宗の寺院で山号は布引山。
正式名称は、天台宗布引山釈尊寺。
信濃三十三観音霊場の第29番札所にあたります。
神亀元年(724)行基による開基とされ、聖徳太子が作ったとされる聖観音を祀ったと伝えられています。
観音堂宮殿(かんのんどうくうでん)は、鎌倉時代の正嘉2年(1258年)に作られたもので国の重要文化財に指定されています。
「牛にひかれて善光寺参り」の伝説
布引観音の入口に着くと、駐車場敷地内に「牛にひかれて善光寺参り」の伝説の説明が書かれた案内板が目に入ります。
私も「牛にひかれて善光寺参り」のフレーズを何度も聞いたことがありましたが、その由来がここにあるとは全く知りませんでした。
物語の要旨は;
「むかし信心を持たない老婆が千曲川で布を晒していた。
するとどこからともなく一頭の牛(実は布引観世音菩薩の化身)が現れ、布を角にひっかけて走りだしてしまう。
この牛を、野を超え山越え追いかけて、気が付くと老婆は長野の善光寺の境内にまでたどり着く。
疲れ果てた老婆がそこにたたずんでいると、どこからともなく光明(霊光)がさし、その尊さに思わず菩薩心を起こし、今までの罪悪を詫び、悔い改める。」
というものです。
この逸話から「思ってもいなかった出来事や、周りからのはからいによって、自分が良い方向へ導かれること」のことわざ、慣用句となっています。
(「風が吹けば桶屋が儲かる」「棚からぼた餅」と同義語ですね)
布引観音への登り所要時間は20-30分
駐車場のある入口から上にある本堂へ、そして先端の観音堂へと登っていきます。
土の山道に間隔もまちまちに石をおいた野性味あふれる階段。
今年訪れた山形の山寺(やはり絶壁にお寺のパターン)のきれいに石を並べた階段とは違う風情があります。
しかしこの野趣あふれる階段はなかなか手強い。
特に前半部分は一段の高さが30-40cmほどのところもあり、小柄な女性だとかなりの段差。
高く膝を上げる歩き方にたちまち息があがり、途中どのくらいかかるか心配になりましたが、ゆっくり休憩を取りながら私たちでも30分ほどで上に着いてホッとしました。
(普通は20分程度で登られる方が多い様です)
断崖絶壁にそびえる布引観音の観音堂
山中の野性味あふれる階段を上っていくと、うっそうとした樹々や岩場に囲まれ、秘境感が漂います。
途中にはお地蔵さんや祠などもポツポツとあり、小さな社などが岩に食い込む様に作られています。
「布引観音」(布引山釈尊寺)の本堂を過ぎて、山道を行き岩をくり抜いた穴を通るといよいよ観音堂へ。
山道の途中や本堂側から岩に食い込んで建てられた観音堂を見るのも絶景、観音堂から見る小諸の街並みやその向こうに見える山々も絶景!
人気のない(平日でした)観音堂でゆったり風景を見渡すと、階段を上ってきたかいがあったと感じます。
名勝布岩も布引観音の名所の一つ
布引観音の崖は200万年前から数十万年前まで存在した古小諸湖の堆積物による地層が露出したもの。
布引観音から東御方面へ走ると左側に長さ16mの「布岩(ぬのいわ)」があります。
この布岩は、伝説の老婆が追いかけた白い布が岩に貼りついた姿だとか、老婆が布とともに岩になった姿だとか、伝説にありがちな「諸説芬々」状態ですが、布引観音を象徴する岩ではあります。
まとめ
小諸の街中(小諸駅)からも近く、また登るのもそれほど大変ではない布引観音。
それでいて断崖絶壁に建つ建築物、観音堂の素晴らしい景色をおおいに堪能できます。
長野に行かれる際に、布引観音は寄り道先の有力候補にしていかれると良いと思います。
布引観音基本情報
所在地:長野県小諸市大久保2250
行き方:(車)上信越道小諸ICよりR18経由で10分
(電車)JR小海線小諸駅よりタクシーで10分
駐車場:無料、砂利の駐車場で線も引いてないが20台以上駐車可
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